『マーケティング5.0』まとめ第6回 ネクスト・テクノロジー(12回シリーズ)

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トランスコスモス(以下当社)の“5ALoyalty診断”サービスの誕生の契機にもなった『マーケティング4.0』の発売から5年。シリーズ最新著『マーケティング5.0』が2022年4月20日に日本語版が発売されました。神様コトラーの緊急提言と題されたマーケティング5.0では、デジタル社会における世代間や社会の課題とマーケティング・テクノロジー活用の新戦術について語られます。記事では章ごとに概要をまとめて分かりやすくお伝えします。
第6回は「ネクスト・テクノロジー」です。

利用可能になったネクスト・テクノロジー

本章では『マーケティング5.0』の基盤になるとされるネクスト・テクノロジーについて語られています。それぞれの技術については後述しますが、まずは多くのテクノロジーがなぜいま台頭してきているのかということをみていきましょう。たとえばAIや自然言語処理(NLP)は1950年代から存在していましたが、現代ほど私たちの生活に影響することはありませんでした。なぜなら、コンピューターは今日ほど強力ではなく、データ記憶装置は大きすぎ、たいへんに高価なもので一般には使い勝手がよいものではなかったからです。ネクスト・テクノロジーの急成長は、オープンソース・ソフトウェア、インターネット、クラウドコンピューティング、モバイル機器、コンピューターの処理能力、ビッグデータという6つの要因が成熟することによって可能になったのです。身近なところでは、私たちが普段当たり前のように使用しているスマートフォンでも実感できるのではないでしょうか。顔認識でパスワードを解除し、音声アシスタントで検索を行い、ARやVRを使ってゲームを楽しみますが、このような機能はいずれも近年になって発達したものといえます。

『マーケティング5.0』より引用

ネクスト・テクノロジーでビジネスを再構築する

『マーケティング5.0』でネクスト・テクノロジーと呼ばれる先進技術はAI、NLP、センサー技術、ロボティクス、MR、IoTとブロックチェーンです。いくつかの技術については過去の記事でも紹介してきましたが、それぞれについてみていきましょう。

人工知能(AI)
AIは、近年ではあらゆる産業でもてはやされている技術といえるでしょう。たとえば映画などで、AIを人間レベルかそれ以上の知能を持つものとして扱い、AIは我々にとって脅威を与える存在として描かれるものを観たことがあるかもしれません。しかし現実的には、AIはそれほど高度である必要はなく、すでに一般的になって応用されています。ECサイトのレコメンド機能や野球チケットのダイナミック・プライシングの設定を行うために利用されたりしているのです。

自然言語処理(NLP)
NLPはマシンに人間のコミュニケーションの仕方を再現させようとするもので、書き言葉と話ことばの療法を対象にしています。NLPの技術によってもっとも普及しているのはチャットボットです。チャットボットの導入によって、それまで電話をかける必要があった問い合わせが不要になったり、コロナ禍でロックダウンとなってもECでショッピングをする際は店員に聞きたいことを質問したりと、みなさんの生活でも浸透したのではないでしょうか。

センサー技術
コンピューターは画像認識や顔認識からも学習することができます。身近なところでは、顔認識ができるスマートフォンのカメラなどもセンサーのひとつです。イギリスの小売業最大手であるテスコでは、画像認識センサーを使用して陳列棚の商品の在庫切れや陳列ミスを見つけるのに利用しています。

ロボティクス
人間の生活に役立つためのロボットに利用については、さまざまなサービスで利用が試みられています。とくに日本では人口減少と高齢化、移民受け入れ体制があまりないこともあり、はやくからロボット工学の研究をしてきました。介護現場での導入も近年は多く見られます。

VR、AR、MR
物理的世界とデジタル世界の境界線を曖昧にするこれらの技術は、さまざまな企業から注目を集めています。VR(仮想現実)はゴーグルを使って仮想空間に入り込んだような体験ができる技術です。AR(拡張現実)はある意味VRの逆で、実際の世界に仮想のものを重ねる技術で、「ポケモンGO」などのゲームが代表的ですね。MR(複合現実)はVRやARをさらに発展させた技術で、現実世界に立体映像を浮かび上がらせ、その映像の後ろに回り込んでみたり、近づいてみたりすることができます。

IoTとブロックチェーン
IoTも、すでに私たちの暮らしの中で身近になっている技術の一つです。とくに家電などでは使っている方も多いのではないでしょうか。IoTによってシームレスな顧客体験ができることは、非常に重要です。IoTが社会インフラにまで広がる現代では、IoTネットワークがサイバー攻撃を受けた際の被害は甚大ですが、ブロックチェーンを活用することでリスクを低減させることは可能です。

ネクスト・テクノロジーをマーケティングに応用することは極めて重要です。日々の生活では当たり前に利用している技術ですが、自社のサービスにおいてはどの程度導入できているでしょうか。5年後、10年後のテクノロジーのロードマップについても検討してみることもよいかもしれません。


※本記事は『コトラーのマーケティング5.0』より弊社にて編集・引用して解説しています

『マーケティング5.0』日本語版まとめ第1回 マーケティング5.0へようこそ
『マーケティング5.0』日本語版まとめ第2回 世代間ギャップ
『マーケティング5.0』日本語版まとめ第3回 富の二極化
『マーケティング5.0』日本語版まとめ第4回 デジタル・ディバイド
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