価値主導のマーケティングへの移行 ミッション・ビジョン・バリューとは?

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環境問題や経済格差など、さまざまな社会的課題に直面している現代において、多くの企業が社会的責任や社会貢献活動の支援に注力しています。また顧客も世界をよりよくしたい、理想的な場所にしたいという思いを強く抱き、企業にも同様であって欲しいと考えます。そのため顧客に信頼され選ばれる企業になるには、顧客と同じ夢を持ち、世界をよりよくするための社会貢献を行うこと、そして、それを自社の価値に結びつけていく必要があります。

このことはマーケティング活動が“価値”をベースにしたものへ移行していることを意味します。製品レベルで消費者に約束どおりの性能や満足を届けることは当然ですが、同時に高い次元で顧客の感情的な願望を実現し、さまざまな形で社会責任を果たしているとみなされる必要があるのです。

社会貢献を企業文化に組み込み、価値ベースのマーケティングへ

社会貢献を自社の価値向上に結びつけることに成功している企業は数多くありますが、一方で自社のDNAに組み込むことが難しい場合や、コミットメントを維持できなくなり失敗してしまうケースも少なくありません。本物の社会貢献とは言えないような、見せかけの慈善活動に終始してしまうケースもあります。

それでは、社会貢献を企業文化の一部としコミットメントの維持につなげていくためには、どのようにしていくべきなのでしょうか。

最適な方法は、社会貢献を自社のミッションビジョンバリューに落とし込むことです。そのためには、それぞれの概念をきちんと理解し、自社にとって最適な内容を掲げる必要があります。そして、すべての社員とこれを共有し、各々がその方針について真剣に理解し、日々の行動に落とし込むよう促す必要があります。そこではじめて、本当の意味での価値主導のマーケティングが叶うのです。

ミッション、ビジョン、バリューとは、具体的にはどんなことを指すのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

ミッションとは? 企業の存在理由を端的に言い表したもの

事業内容を言い表すものがミッションだという人もいますが、ダイナミックなビジネス環境下では、事業範囲は変わりゆくものです。ミッションには普遍的で本質的なものを掲げることで、企業の持続可能性を強化することができます。

著名な経営学者であったピーター・ドラッカーはかつて、成功している企業は金銭的利益ではなくミッションの実行から生まれている、金銭的利益は後からついてくるべきものだと主張しています。ミッションは企業の根幹を成し、不変の企業の存在意義なのです。

ビジョンとは? 企業の望ましい未来像を描き出したもの

ビジョンとは中長期的に達成すべき目標です。企業はミッションの定義を考慮し、どのような企業になり何を達成したいのか、漠然とした目標ではなく明確な数値目標や将来の姿を描き出すとよいでしょう。

ビジョンはミッションと異なり恒久的な指針ではありません。環境や社会の変化によって組織としての達成目標が変化することもあります。

バリューとは? 企業組織としての行動規範

バリューとは、企業組織として共有すべき価値、価値基準です。

企業はミッション、ビジョンを実現するために、バリューを業務遂行方法に組み込み、従業員の行動指針としての役割を果たします。組織全体で会社が目指す姿を共有することで、最終的には企業価値そのものの強化・向上につながっていきます。

『コトラーのマーケティング3.0』の図を参考に作成

ミッション、ビジョン、バリューを決定したら、VBMモデル(価値を基準にしたマトリックス)を活用して具体的な活動内容を考えていきましょう。ミッション(なぜ)、ビジョン(何を)、バリュー(どのように)、それぞれの視点から、現在および将来の顧客のマインド、ハートと精神をつかむための企業努力を検討します。

SCジョンソンのミッション・ビジョン・バリューの事例

社会や環境の持続可能性に対する取り組みをミッション、ビジョン、バリューにうまく組み込むことに成功している、「カビキラー」「パイプフィニッシュ」などの製品で有名なSCジョンソンの事例を紹介します。

ミッション:
コミュニティの幸福に貢献するとともに環境の維持・保護に努める

多様な製品を提供すること、環境維持活動へ参加しているという喜びを与えることで、消費者の満足や願望を実現。貧困層に向けた事業活動も実践しています。

ビジョン:
持続可能性の原則に従って人々のニーズを満たす革新的なソリューションの提供で世界のリーダーになる

ビジョンの達成は黒字成長と受賞歴に示されています。実績を広く知らせるためにパブリック・レポートも発表しています。

バリュー:
経済的価値の創造、環境の健全さの追求、社会の進歩を推進する

自社の基本的な強みは社員であると宣言したり、子どもを持つ女性の積極採用を行うことで、マインドに訴え、ハートを掴んでいます。さらに環境や社会の持続可能性に貢献できる機会を提供することで、精神にも訴えかけています。

このように考えていくと、価値主導のマーケティングは、企業のミッション・ビジョン・バリューに組み込まれた意味を広めていくことにあると表現できるでしょう。

マーケティングは、もはや販売や需要の創出活動のみを示すものではありません。企業が顧客に求められ続けるための“価値”を創造し普及させること、そしてその維持・向上を目指し、企業の戦略的未来像を描く活動そのものであるといえます。

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