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PDCAとは 福島常浩が解説するCX時代のロイヤルティマーケティング 第2回

記事

PDCAサイクルとは何でしょうか。PDCAサイクルはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字からなるフレームワークです。プロジェクトや施策を成功させるためには、まず計画を立案して実行する。そしてその結果を検証・評価して、改善を行う。このサイクルを継続して回し続けることで連続的なフィードバックを行い、よりよい結果を導こうとするループ型のモデルです。もともとは生産プロセスの過程において、改良や改善が必要な部分を特定し、変更できるようにすることを目的として1950年代に提唱されました。

すべての企業活動はPDCAサイクルが重要

マーケティングに限らず企業活動におけるすべての取り組みはPDCAサイクルを回していくことが非常に重要です。プロジェクトや施策は計画を立てるところからはじまりますが、どんなに素晴らしい計画があったとしても、通常はそれを実行するだけでよい結果は実現できないからです。

マーケティング業界でも昔からPDCAサイクルが回されてきました。マーケティングを主体的に行っている企業であればマーケティング計画があるでしょう。これがPDCAサイクルのPlanとなります。そしてその計画を実際にやってみて(Do)、その結果を評価(Check)し、次の改善施策(Action)につなげます。たとえば消費財メーカーであれば3ヶ月ごとにPDCAサイクルを回すことが多く、行政などでは1年、もしくはもっと長いスパンでサイクルを回すこともあります。

これからのCXを重視するPDCAとは

PDCAサイクルはこれまでのマーケティング、特にSTP、4Pと相性がよいとされ、積極的に取り入れられてきました。PDCAサイクルを回していくと比較的チェックや管理がしやすかったのです。しかしこれからのロイヤルティマーケティングの時代では、企業はCXを重視することによって顧客に選ばれることを目指さなければなりません。顧客との接点は多様化、複雑化していますし、商品を購入してもらっておしまいではなく長期的に良好な関係性を構築する必要が出てきたことで、管理すべきポイントがこれまでのマーケティングとは比べ物にならないくらい膨大になっています。大きなKPIは当然ありますが、それ以外の細かなKPIが多数発生するロイヤルティマーケティングの実施にはPDCAサイクルの回し方や管理手法について工夫することが必要になります。

例えばインターネットやスマートフォンが今ほど普及していなかった時代の大企業の広告戦略といえば、マス広告が中心でした。テレビCMをどれくらい投下して、それによって認知率がどの程度上がったかを測定するというシンプルな構造であったため、PDCAサイクルもテレビCMの投下量をPlan、アンケート調査による認知率の測定をCheckとする単純なものでした。

しかしロイヤルティマーケティングの時代では、マーケティングの施策はテレビCMだけではありません。企業は購買後の顧客とも長きにわたってコミュニケーションし、ロイヤルティの向上を目指さなければならなくなっています。SNSで積極的に会話したり、愛用者カードなどを通じてメールのやりとりをするなど、さまざまな接点が発生するようになることでSNSでの会話の発生数やメールの開封率、キャンペーンへの応募数などが細かなKPIとして考えられます。このようになるとPDCAサイクルにおける要素や指標がどんどん複雑化し、チェック項目も膨大になってしまうため、もはや管理不能に陥ってしまう可能性があります。

管理不能な状態を回避するためにはどのようにすればよいのでしょうか。それはロイヤルティマーケティング、つまりCXを重視する時代のマーケティングにおいて最も重要なKPIである顧客のロイヤルティを重視し、適切に測定することです。ロイヤルティの測定方法にはさまざまな方法論が提唱されていますが、PDCAサイクルのCheckの方法としてお勧めしたいのは、5A(ファイブエー)です。コトラーが著書『マーケティング4.0』の中で提唱したアドボケーション(推奨)という概念は、現在では世界的にスタンダードな指標として広まっていますが、これは「本当にその商品が好きであれば顧客は人に勧めるはずだ」という前提から成り立っています。つまり逆の言い方をすれば、企業は人に勧めたことがある顧客がどれだけいるのかを測定することで顧客のロイヤルティを測定できるということです。

とてもシンプルにみえるかもしれませんが、これは極めて本質をついています。例えば大量にある細かなKPIを全て並べることができたとしても、PDCAサイクルのチェックがうまくいっているかどうかは逆に分かりにくくなってしまうでしょう。このように考えると、世界中の全ての企業が5Aを使ってロイヤルティを定期的にチェックしていくことが、ロイヤルティマーケティングの究極の姿となっているといえるのかもしれません。


福島常浩が御社のマーケティングをディレクションいたします

トランスコスモスでは、フィリップ・コトラーの提唱する5Aコンセプトに沿ってマーケティング戦略提案をいたします。実際のご提案に際しては、当記事の解説者である福島常浩がデジタル時代に最適化したロイヤルティマーケティングをサポート。まずは御社のお悩みをお聞かせください。

トランスコスモス株式会社 上席常務執行役員
公益社団法人日本マーケティング協会 理事
福島常浩
東京工業大学大学院修了後、味の素株式会社に入社。その後、GE Capital、三菱商事、ぐるなび、メディカルデータビジョンを経て、ビッグデータ事業、マーケティング責任者等を歴任。専門分野は、新事業・新製品開発、ブランド論、医療ビジネス、ロイヤルティマーケティング。トランスコスモスではマーケティング関連の事業開発を担当し、書籍 『コトラーのマーケティング4.0』 で紹介された5A診断を日本で独占的に提供している。

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