3iモデルとは? ブランド・ポジショニング・差別化を評価するフレームワーク

2020/04/27 10:00:00 / by 5A LS 編集部

顧客同士が横につながり、常にコミュニケーションを取り合う接続性の時代では、企業のマーケティング活動は、より人間的で身近なものへとシフトしていかなければなりません。企業は一方的に広告を打つのではなく、顧客同士のコミュニケーションに参加して、できるだけ自然に溶け込んでいくことが理想です。

顧客の不安や欲求を本質的に理解してアプローチ

そのためにはまず、顧客に対する考え方を変えていきましょう。顧客はかつてのように単なるターゲットではありません。マインドやハート、そして精神を持った存在なのです。彼らはまさに人間そのもので、与えられた情報を鵜呑みにすることなく、自分で考えたり分析したりして、ときには感情に動かされて行動します。コトラーはこうした顧客の姿を「全人的存在」と表現し、企業のマーケティング活動において、非常に重要な概念であると説いています。

これまでにも顧客のマインドやハートに訴えかけようとするマーケティングは、さまざまな企業で実践されてきました。スターバックスの「第3の場所(サードプレイス)」、アップルの「クリエイティブな想像力」などのコンセプトは、エモーショナル・マーケティングの成功例です。商品やサービスの性能云々ではなく、もっと大局的な観点から、顧客のエモーショナルなハートにアプローチしています。

しかし、豊富な情報とネットワーク化されたコミュニティによって、顧客がますます力を持つようになった時代では、これだけでは十分ではありません。マーケティングはもう一段階進んで、精神へ訴えかけるものへと進化しています。企業は製品やサービスの意図が顧客にとって意味を持ち続けるように、顧客の不安や欲求を本質的に理解して、それに応えていく必要があります。

企業と顧客とのつながりが縦から横に変化した時代にどう対応するか

ブランド・ポジショニング・差別化を3iで評価

そのため、マーケティング3.0では、企業を「ポジショニング」「ブランド」「差別化」という3つの側面から見る「3iモデル」というフレームワークを提唱しています。企業は、ブランド・アイデンティティ(brand identity)、ブランド・イメージ(brand image)、ブランド・インテグリティ(brand integrity)、3つの「i」の視点で、自社のマーケティング活動を評価し、バランスのとれた三角形に近づけることを目指していくとよいでしょう。マーケティングの最終形態は、ブランドのユニークなアイデンティティを明確化し、本物のインテグリティで強化し、強力なイメージを築くことです。

3iモデルの図を示すとわかりやすいでしょう。「ポジショニング」にはブランド・アイデンティティとブランド・インテグリティで、「ブランド」にはブランド・アイデンティティとブランド・イメージで、「差別化」にはブランド・イメージとブランド・インテグリティで評価することで、三角形のバランスを保っているのがわかります。

3つの「i」とは?

ブランド・アイデンティティとは

ブランド・アイデンティティとは、ブランドを消費者のマインド内にポジショニングすること

競争環境にある企業が消費者の関心を引くためには、ポジショニングはユニークであることが求められます。また消費者のニーズや欲求にとって、合理的な意味を持っていることも必要です。

ブランド・イメージとは

ブランド・イメージとは、消費者の心をしっかりつかむこと

ブランドの価値は、製品の機能や性能を超えて、消費者の感情的なニーズや欲求にアピールするものでなければなりません。企業は将来のビジョンや目指すライフスタイルなどを示すことで差別化を図ります。そうしたブランドの価値観に共鳴した消費者は、そのブランドを選ぶことで精神的な満足を得ることができるのです。

ブランド・インテグリティとは

ブランド・インテグリティとは、ユニークなポジショニングを差別化によって支え、ブランドの主張を実現すること

消費者や社会に対して誠実であること、約束を果たすこと。こうした姿勢を通じて消費者の精神に訴えかけ、ブランドに対する信頼の醸成を目指します。

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本質的な差別化が価値を生む時代

例えばアウトドア製品のブランドが、自社のポジショニングを明確にしながら環境保護に関するボランティア活動を行う場合、競合との差別化と、揺るぎないブランド・インテグリティの確立を、同時に実現できるわけです。ポジショニングと差別化との間で相乗効果を発揮させることができれば、好ましいブランド・イメージを生み出すことにもつながります。

ポジショニング、ブランド、そして差別化のバランスに注意しながら3iモデルを活用することで、全人的存在である顧客に対して効果的なアプローチができます。顧客がオンライン上の見知らぬ人の声や、知人の推奨を信用する時代では、3つの要素のどれかひとつを明確にするだけでは価値がありません。ブランドのDNAに裏付けられた本物の差別化がなければ、ソーシャルメディアなどの消費者コミュニティの集合知によって、あっという間に偽りのものだと暴かれてしまうからです。

3iの三角形は、本質的な差別化なくして、決して完全なものにはできません。誠実であること、ブランドのDNAに忠実であることが、何よりも企業の強みになります。消費者コミュニティを無理矢理コントロールしようとするのではなく、自らもその一員となってコミュニケーションをすること、そして時には自分の代わりに彼らにマーケティングをやってもらうという視点も必要です。

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